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隠岐でジオ給食 小学生考案のユニーク地元食材メニューに笑顔
隠岐4島の小学生を対象に行われた「ジオ食メニューコンテスト」の最優秀賞2作品が、9月2日に西ノ島町で、9月4日に海士町・知夫村で、9月9日に隠岐の島町で給食のメニューとして提供された。子どもたちは「大きくて、おいしい」と笑顔で話し、食べ慣れた地元食材の目新しいメニューは好評の様子だった。
9月9日に世界ジオパーク認定から2年を迎えるに当たり、食を通じて子どもたちに隠岐世界ジオパークを身近に感じてほしいと隠岐世界ジオパーク推進協議会が企画。4島の小学生から3つの地元食材を使用したメニューが寄せられ、福井小学校6年生藤田みことさんの「隠岐コロネ」と五箇小学校3年生池本颯汰さんの「へんまこくようパオ」の2点が最優秀作品に選ばれた。
隠岐の食材として海士の塩、あご(トビウオ)、岩のりを使用した「隠岐コロネ」はサザエをかたどった大きなコロネパンに、あごミンチのパティを合わせ、チーズ、ケチャップ、レタスを層状に重ねることで地層を表現。「地層とサザエという隠岐らしさと、季節の魚介を使ったバリエーションの広がりが魅力」と評された。
藻塩、アラメ、サザエを使用した「へんまこくようパオ」は藻塩を使った中華風の白いパンを片麻岩に見立て、フレーク状のアラメをちりばめて黒曜石を表現。サザエとアラメを混ぜ込んだがんもに甘辛しょうゆだれを絡めてサンドし、「隠岐世界ジオパークの特徴である岩石が分かりやすく表現されている」と評価された。
「隠岐コロネ」は島前3島、「へんまこくようパオ」は島後の小中学校で提供。「隠岐コロネ」を発案した藤田さんは「感動した。海士町にはイワガキもあるのでイワガキ型のパンもいいかも」、「へんまこくようパオ」の池本さんは「色も形も想像通りでうれしい」とそれぞれ感想を話した。
給食としては例のないメニューということもあり、調理には工夫が凝らされた。コロネパンは具材が入るように穴を大きくするため特別な型を発注。パオの生地に混ぜ込むアラメの分量や工程は何度も試作を繰り返した。「子どもたちのアイデアを形にするのは想像以上に大変だった。たくさんの方の助力で実現できた。子どもたちも楽しみながら食べてくれたようで、後日、父兄の方から家庭でもジオ給食の話をしていたと聞き、ほっと胸をなで下ろした」と同協議会の担当者は振り返る。
「それぞれのメニューを島前・島後逆で提供してみたい。一般の方にも食べてもらう機会を作れたら」とも。
(隠岐経済新聞)