渋谷駅から徒歩10分ほど、落ち着いた雰囲気の奥渋谷エリアにある、サンドイッチとエスプレッソが自慢のコーヒースタンド。5.5坪のコンパクトなスペースで、店の外にベンチが置かれていますが、テイクアウトが基本のお店です。ただし、つくりおきは一切せず、ドリンクもサンドイッチも注文を受けてから「おひとりおひとりのために」、職人気質ともいえるこだわりでつくったものが手渡されます。
サンドイッチ担当の成瀬隼人さんは、アメリカで寿司職人のキャリアをスタート。日本の寿司店で修業を積んだ後、「日本で店を始めるなら」と、かねてからの念願だったサンドイッチの世界へ。バリスタの鈴木 啓太郎さんは、「ストリーマー・コーヒー・カンパニー」の出身。高校時代から18年来の親友という2人の店は、まるでラクダの背中のごとく、サンドイッチとエスプレッソがふたつ並んで、それぞれの高みを目指しています。
パンを味わうためのサンドイッチと、珠玉のエスプレッソ
ご自身もパンが大好きで、「サンドイッチは、パンが主役」と言い切る成瀬さん。代々木公園界隈の名店「365日」「カタネベーカリー」「タルイベーカリー」のパンを使い、現在のラインアップは、バゲットのサンドイッチ7種類と小ぶりのコッペパンの「すしやの玉子サンド」。いずれも、成瀬さんがほれ込んだパンの個性に合わせ、パンそのものをよりおいしく味わえるように、具材を考え抜いてつくりあげています。休日には100個出るという「すしやの玉子サンド」も、初めにパンありき。カタネベーカリーの国産もち麦を使ったパンを試食して、「このパンなら、すしネタの玉子焼きが合う!」とひらめいたそう。

素材の力を引き出す丁寧な下ごしらえや、取り合わせ、見た目にも美しいあしらいに、寿司職人として培ったセンスと技が光ります。
一方、鈴木さんが淹れるエスプレッソは、エスプレッソ用に最適な焙煎をした豆を通常の3倍量使い、注文を受けてから極細に挽き、半自動のマシンで抽出しています。抽出加減は、その日の天候やマシンの走り具合でも微妙に左右されるそう。トロリと粘度を持つくらいに濃く、えぐみや雑味は出さずに香りと甘みを存分に引き出すのが理想です。一期一会の1杯を、いつも最高の状態で提供できるよう細心の集中力を持ってマシンに向かいます。おすすめは「Camel Black」。先に湯を入れたカップにエスプレッソを落とす「アメリカーノ」です。落としたてはクレマを浮かべたエスプレッソの甘みやコクをストレートに、そしてエスプレッソがゆっくりと沈んで湯と混じり合っていく、味わいの変化も楽しめます。
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自家製ベーコン、自家製ドライトマトとルッコラ
918円(税込)これぞCAMELBACK流のBLT。「365日」のバゲットに、厨房で燻製にしたベーコンの厚切り、オイル漬けドライトマトとパプリカ、ルッコラをサンド。ソースは使わず、素材の味の組み合わせが、バゲットそのもののリッチな味わいをより引き立てる。
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すしやの玉子サンド
410円(税込)玉子焼きは、厚さ以外は寿司店でつくっていたのと同じレシピ。まぐろ節からとった出汁をきかせ、1時間かけて銅鍋全体に油をなじませてから、焼き色を一切つけずに焼き上げる。「カタネベーカリー」のコッペパンの、もちもちとやさしい食感にぴったりと合う。
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ブリーチーズ、リンゴ、
蜂蜜のハーモニー
864円(税込)全粒粉を使い、わずかに酸味のある「タルイベーカリー」のバゲットは、チーズとの相性抜群。クリーミーなチーズ、サクサクの薄切りりんご、生ハム、蜂蜜と、食感も味わいも異なるもの同士が奏でるハーモニーで、バゲットの個性が際立つ。
- 店名
- CAMELBACK sandwich&espresso
(キャメルバック サンドウィッチ&エスプレッソ) - 住所
- 東京都渋谷区神山町42-2 1F
- TEL
- 03-6407-0069
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 月曜
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2017年3月)のものです。最新の店舗情報は、別途店舗のHP等でご確認ください。