フレンチの銘店〈レフェルヴェソンス〉の生江史伸シェフが大阪のベーカリー〈ル・シュクレ・クール〉、ノルウェー発のコーヒーショップ〈フグレン トーキョー〉とコラボレーション。”bricolage”とは、DIYを意味するフランス語。「『美味しさ』は、日常を豊かに、幸せにする力を持つ。自分たちが欲しいと思う時間や場所は自分たちでつくってしまおう」というコンセプトのもと、カフェとレストランとベーカリー3つのエリアで構成されています。
だからリピートしたくなる!
食材のコラージュから生まれる今までにない“美味しさ”

「今をときめくフレンチとブーランジェリーとカフェが六本木にて融合」と聞けば、きらきらと華やかなイメージが想起されますが、お店に入ると不思議なくらいにほっとする懐かしさを感じます。
福井の古民家の古材を用いたという店内には季節の植物があしらわれ、どこかレトロな雰囲気の中に、パンや料理をつくり、コーヒーを淹れる手仕事の気配が穏やかに溶け込んでいます。
ベーカリーに並ぶパンは、わが子を育むようにパンをつくる、ル・シュクレ・クール岩永歩シェフのプロデュース。まずは視覚を通して「これは間違いなくおいしいに違いない!」という直感が呼び起こされます。テラスやカフェのエリアで、コーヒーと一緒に気軽にいただくこともできますし、奥のレストランエリアでは、ライ麦と全粒粉のカンパーニュ〈ブリコラージュ ブレッド〉を使ったオープンサンドなどを楽しめます。

マネージャーの森下偉雄さんのおすすめは、「刺身のオープンサンド」。2018年5月のオープン以来、季節ごとに主役の魚を替えています。取材時はVer.6。シマアジをしょっつるとみりんで“づけ”にして、カボチャ、ズッキーニ、パプリカの煮びたし、豆腐サワークリームにライムを添えて。和食を思わせる繊細な素材の取り合わせ、ライムは爽やかな酸味と苦みが強く主張しすぎないようにと、皮を取り、レースのように透けるくらいの薄切りです。手切りでここまで薄く切るのは不可能ですが、なんと生ハムのスライサーを使っているのだそう。全粒粉生地ならではの奥行きの深い味わいのパンに、すべての食材が最善のバランスでコラージュされた美味。一皿の料理がブレッドの上に完結しています。
カトラリーは松阪の鍛冶屋がつくる槌目跡のついた打ち出し、器は古伊万里など古いものも取り入れるなど、お店のデザインや素材、家具、植物、食器やカトラリー、食材、調味料、そしてパンを焼く人、料理をつくる人、コーヒーを淹れる人、サービスを担う人たち、そのすべてがほかにはない、この店の空気感をつくっています。
「おいしかった!」と通り過ぎていく類いのものではなく、パンと料理とコーヒーが織りなす美味なる出会いと驚き、ここで過ごした時間は、いつもの日常に新しい風を吹き込んでくれるような、記憶にとどまる感覚です。
おすすめのメニュー
パンドミ1本680円
1/2本340円(各税込)

手に持つと、びっくりするくらいにやわらかく、もちもち感とボリュームのある食べ応え。クラムは水分をたっぷり含んでしっとりつややか。バターや卵を使わないシンプルな材料に、余分な手は加えずにオーバーナイトで旨みを引き出していく、岩永シェフの真骨頂。
カルダモン400円(税込)

全粒粉を使うことは同店のパンの特長の1つ。クロワッサン生地にも全粒粉を使い、バターの風味だけでなく、小麦の香りと味わいをしっかりと感じることができる。粗びき&パウダー状のカルダモンをたっぷりと巻き込み、レモンピールがさわやかに香る。
フリュイ700円 1/2本350円(各税込)

同店シグニチャーのブリコラージュブレッドは、粉は全粒粉とライ麦だけ、ルヴァン種とサワー種を使い、ミキシングは最低限、発酵に時間をかけてゆっくりとつなぐ。しっとりとして深い旨みのある、この生地にフィグ、レーズン、オレンジピール、カレンズ、クルミをたっぷり練り込んだ王道のフリュイ。
店舗情報

- 店名
- bricolage bread&co.(ブリコラージュ ブレッド アンド カンパニー)
- 住所
- 東京都港区六本木6-15-1 六本木ヒルズ けやき坂テラス 1F
- TEL
- 03-6804-3350
- 営業時間
- 8:00~21:00
- 定休日
- 月曜 ※祝日は営業
- URL
- https://bricolagebread.com/
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2019年10月)のものです。最新の店舗情報は、別途店舗のHP等でご確認ください。