2024.10.17

家族を大事にしながら自家製酵母から作るパンの魅力を伝えるパン屋さん

北海道札幌市の南東に位置する北広島市。石狩平野のほぼ中央に位置している北広島市に2021年12月24日にオープンしたパン屋さん「太郎山」。自然栽培や有機栽培の小麦を自家製粉し、自家製酵母からパンを作り、そして国産で栽培期間は農薬不使用の食材を使うなど自然に近い物でパンを焼き上げます。オープン時にお店に着くと、お店の旗を店の前に出して、笑顔で迎え入れてくれたこの方が、店主の田中賢太郎さん。田中店主は、奥様や息子様などのご家族との時間を大切にしながらパン屋さんを営んでいます。
初めての店舗作りということもあり、広めの物件を探したところ北広島で見つけ、こちらにオープンしたそうです。

ぺこパン

ぺこパン

パンが大好きすぎて、11年勤めた会社を退職し、パン屋さんのおいしさを広めるべく、自転車で日本一周中!各種SNSで、発信しながら旅をしています!夢は、世界のパン屋さん巡りをして、 その国その国のパンのおいしさをみなさんにお伝えすることです。

自家製酵母のこだわりについて

自家製酵母はイーストと比べて、安定性がなく難しい印象ですが、それでも自家製酵母にこだわるのはなぜか伺うと、「イーストパンと比べると酵母パンは成長(発酵)が遅くて不安定で難しいですし生産性も低いですが、カビにくく、自然な旨味や香りが醸し出されていると感じています。そして、こだわる理由は2点あります。1つ目は、自然に近い作り方と食材でパンを提供したいからです。これは自然に近い酵母パンに、できるだけ自然から遠ざかっていない食物を合わせていきたいという思考からきています。2つ目は、お召し上がりいただくお客様の健康への配慮があります。酵母パンは、人によるかとは思いますが、消化しやすく、便の調子が良くなる方もいらっしゃいます。人も自然の一部である以上、できるだけ自然に近い食物を取り込んで行く事が健全な暮らし方だと思っています。そう言った意味で、ドライフルーツなどを混ぜ込む時も出来るだけオーガニックの物や国産で栽培期間は農薬不使用の物を選んでいます。」と田中店主は教えてくれました。私は、毎日安心して食べたいパンが、この田中店主が作る“滋味深いパン”だと思いました。

パン屋さんと家族の両立について

パン屋さんを家族経営されている方に聞きたいことと言えば、家族との時間について。奥様と2人3脚で働いている太郎山さんは、ご主人の田中店主が5時から21時まで、奥様は9:30から17:00まで店舗にいるそうです。なので、奥様と一緒にいる時間は長いのですが、やはりお子様との時間を取ることは、難しい状況で、子供達に会える時間は、21時過ぎまで起きていた時とお休みの日(定休日は毎週月曜日と第2第4日曜日)となります。その環境の中で、田中店主は、限られた時間を大事にしています。

お子様が寝ないで待っていてくれた時には、何をされるのですかと聞くと、「3歳の息子には歯を磨いてあげたり、絵本を読んであげたりします。盛り上がり過ぎた時はブロックで遊んじゃったりもします。9歳の娘とはひたすらおしゃべりをします笑。女子はおしゃべり大好きですね。話してくれるのはとても嬉しいです。」と答えてくれました。なんとも微笑ましい光景ですね。

お休みの日についても教えていただきました。「日曜日のお休みの日にみんなで一緒に起きて、朝ごはんを食べるのが最高の時間です。月曜日のお休みの日は娘が小学校に行くのを僕と息子で見えなくなるまで見送って、その後一緒にゴミ捨てに行きます。この時間も僕は気に入っています。その後、妻と僕と息子と3人で出かけています。とにかくお休みの日は子供達と一緒に過ごす事を意識しています。意識していると言うか一緒に居たくてたまらないだけですが笑。後は小学校の長期休みがある、夏、冬、春に太郎山も1週間から10日程は休みをいただいています。家族との時間が、ただ大好きで大好きで、だからこそ良いパン作りを目指す事ができているといった現状です。」私はこれを聞いて、田中店主が作るパンの味の深みは、家族に対する想いからできているのだなと感じました。そして同時に、手塩にかけて作った酵母から生まれるパンを大事に食べたいと思いました。

最後に今後のビジョンをお伺いしました。「現在の太郎山のパンのだいたいのラインナップはデニッシュ、食パン、ハード系となっています。酵母の力を活かしたハード系のパンが1番のオススメですが、やはり慣れ親しんだ食パンやクロワッサンがお客さまに選ばれています。カンパーニュを食パンのように選んでもらいたい!というのが僕の願いです。でもカンパーニュどうやって食べるの?って思ってらっしゃる方に選んでもらうのは心苦しいので、いつか小さなイートインスペースを設けて、カンパーニュを簡単にオリーブオイルと塩、はちみつとバターなどでお召し上がりいただけたらなと思います。お客さまと一緒にリベイクができたりしたらより良いなぁとワクワクします。カンパーニュや他の酵母パンの美味しさ、健全性を少しでも広げて行きたいというのが僕のやりたい事です。」

パン・オ・ヴァン

パン生地の全粒粉は北海道産有機小麦を自家製粉して使用しており、赤ワインとスパイス(シナモン、グローブ)でいちじく、あんず、レーズン、プルーンを煮詰めてペーストにして生地に混ぜ込んでいます。その生地にアーモンド、プルーン、オレンジピールを混ぜ込んだパンです。私が食べようとすると、ふわっとチャイのようなスパイスの香りがしました。しっかり煮詰めているのが、そこからも感じ取れ、一気に食欲がわきます。クラストがパリッとしていて、中のプルーンやオレンジピールの柑橘系の爽やかなフレーバーと、。生地にもフルーツが練り込まれているので、相乗効果でとってもジューシーでフルーティ、。まるでシナモンスティックを入れたホットワインのような味わいです。

柚子とくるみのライ麦パン

栃木県産無農薬ライ麦を自家製粉して使用しています。小麦全粒粉は長野県産有機小麦を使用しています。柚子ピールは国産で栽培期間は農薬不使用です。こちらのパンは、生地から酢飯のようなかおりと味わいがします。クラストがサクッとしていて、香ばしさがあり、そしてなんと言っても、柚子の香りの強さ。生命力を感じるほど、アグレッシブに嗅覚を襲います。なんて爽やかなんでしょう。くるみのコリっとした食感もアクセントになっています。

伊予柑ピールとホワイトチョコのパイ

パイ生地は、自家製分の全粒粉入りです。パイは北海道産有機小麦を自家製粉して使用しています。お砂糖不使用の生地ですが、噛むほどに小麦の甘味を感じられます。生地がさくさくで、豆乳ダマンドがしっとりしています。ホワイトチョコの甘さが伊予柑ピールの煮詰められたほろ苦いジャムととても合います。

店舗情報

http://太郎山
店舗名:
太郎山
住所:
〒061-1271
北海道北広島市大曲中央3-2-2
アクセス:
上野幌駅から5.4km
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電話番号:
011-300-9143
営業時間:
11:00 - 18:00
定休日:
月曜日 第2第4日曜日
店舗公式インスタグラム:
@tarouyama2021
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