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3月末に{コレド日本橋}がオープンして3カ月、日本橋の新しい顔として定着している。メインテナントが証券会社のメルリリンチではあるが、地下一階から4階まで33店の飲食店やショップが入り、今、最もホットなスポットとして人気を集めている。元東急百貨店があったこの地は日本橋の基点、近くに高島屋と三越を持つショッピングエリアとして再浮上している。飲食店としては東急の「プレッセ」、メゾンカイザー、和食「えん」、ソニープラザが展開する「セレンディピティ」など、22店舗が結集、新しい食のスタイルを提案している。そして中でも開店以来行列のできるベーカリーとして話題をよんでいるのが「メゾンカイザー」である。パリ左岸のエリックカイザーの日本店として白金高輪に出店して3年、カイザーファンは着実に増えているようだ。

 新スタイルの飲食店が並ぶコレド日本橋地下で圧倒的存在感を誇っているのが、メゾンカイザーである。オールガラス張りで、オープンキッチン、カフェも併設したオシャレな店舗は日本橋のOLやビジネスマンだけでな、買いもの帰りの主婦の心も捉えて離さない。
オーナーは35歳の木村周一郎氏、本店は白金高輪のメゾンカイザーである。ここでも一番の人気はフランスのフィガロ紙で“美味しいクロワッサン!”に輝いたクロワッサン(168円)。「一口噛めばサクサクの食感とバターの香りが口いっぱいに広がり」の情報もプラスされて幸せな気分にしてくれる。
全体で72坪という広い店舗にはベーカリー、焼き菓子、サンドイッチ、サラダやスイーツまでフルライン、カフェも併設されている。ベーカリーコーナーにはカイザー氏が創りだしたルヴァンリキッドを使った食事パンが、ズラリと並び圧巻だ。中でも人気は日本橋の地名をそのまま命名した「パン日本橋」(315円、小は157円)。フランスパン生地に少量のミルクを入れた「パン日本橋」は外側はカリッと、中はあくまでふんわりとしていて食べやすい。

[正面平台には食事パンが並ぶ]
[人気のクロワッサン168円] [コレド店限定の「パン日本橋」
315円]

 ベーカリーの商品アイテムはざっと60、すべて厨房で焼き上げている。人気のクロワッサンやフロマージュ、さつまいもパンなどが白金まで行かなくてもここで手に入るとあって、行列が絶えることはない。
 そして店舗のディスプレイはあくまでシンプルでオシャレ。パリの香りが漂う大人のイメージでまとめている。日本のベーカリーでは珍しい食事パン中心で中央の平台にはブラックオリーブ、さつまいも、セーグルクランベリー、パンオアプリコットなど、手頃な大きさの食事パンをディスプレイ。外から見えるガラス張りの一角にはパン日本橋など少し大きめの食事パンでディスプレイしている。また入口の平台には人気アイテムのフロマージュ(368円)を並べ、チーズ好きの女性の心を捉えている。

[外から食パン中心のオシャレなディスプレイがみえる]
[人気のフロマージュ368円 ] [パンオオリーブ315円]

 奥の棚を陣取るのはクロワッサンとヴィエノワズリである。特にクロワッサンの人気は棚に並ぶひまがないほどだ。1個168円という価格も値ごろ感があり、ダントツの人気!となっている。その他、本場のパンオレザン(231円)、ローザンジュオアブリコット(252円)なども人気。
 パリのメゾンカイザー本店の通りの名前をつけた「バゲットモンジュ」、石臼引き粉を使った田舎パン「トゥルト」(大2,100円1/2は1,050円)もハード系好きにはうれしい逸品だ。

[ヴィエノワズリコーナー]
[パンオレザン231円 ] [トゥルト]
[キッシュやスイーツも充実]

 ベーカリーコーナーに続いてサンドイッチ、サラダ、キッシュ、スイーツコーナーが並ぶ。スイーツもあくまでパリ仕様。細身のエクレールやフルーツたっぷりのタルトが目を惹く。人気は鮮やかな赤色が食欲をそそる「タルトモンジュ」(420円)という。また、このコレド店では焼き菓子コーナーも充実している。チョコレートやレモンなどのマフィン類やブラウニーが並ぶ。焼き菓子コーナーでの人気は5個105円の一口サイズのフィナンシェ。「ちょっとだけ甘いものを食べたい」という客に食べやすく便利なのであろう。

 ショップに続いて、24席のカフェコーナーがある。地下一階といいながらも吹き抜けになっており、外の明るい日差しがそのまま差し込み、開放感に満ちたここは、まるでパリの街角を切り取ったようだ。
朝7時から11時までは店内で買ったパンを自由に食べることができ、クロワッサンとカフェで朝食をとるOLが多い。11時からはランチタイム、12時をまわると近隣のOLやサラリーマンで賑わう。メニューはドリンク類(アルコールメニューも豊富)やアペタイザー、サラダ、タルティーヌなどだが、ランチタイムはセットメニューもある。 OLに人気はアペタイザーセットだ。好みのアペタイザーとパンとコーヒーがセットで1100円。人気アペタイザーはアスパラとたっぷりの生野菜とポーチドエッグを使った「ブレッサン」。タルティーヌ「ファルミエール」は自慢のトゥルトにトマトペーストを塗り、生ハムとベビースピナッチとチーズがたっぷり。そのボリュームに驚かされる。メインディッシュセットはメインディッシュに焼きたてパン、サラダかタルティーヌにデザートにドリンクがついて1600円。食べきれないほどのボリュームだ。

パリそのままの開放的な
カフェコーナー


連日3台のレジがフル稼働といううれしい悲鳴をあげるメゾンカイザーコレド日本橋店。食事パンからヴィエノワズリ、パティスリーまでフル装備。スタッフの制服もオシャレで、あくまでパリを彷彿させ、これまでのベーカリーとは一線を画す。人気の要因はカイザーというブランドか、パンの品質&店舗の魅力か、それともコレド日本橋そのものの魅力なのか? いずれにしても好立地を武器に、72坪をフルに活かし、理想の店づくりに情熱を傾ける木村シェフの挑戦には目が離せない。

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