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具を食べるサンドイッチ「バインミー」が人気

今、バインミーがひそかに注目を集めているのをご存知だろうか。
バインミーとはベトナム発祥のサンドイッチのこと。現地では、屋台で食べる庶民の味として、多くの人に親しまれている。
外はぱりっと、中はふんわりした歯切れのよいパンでたっぷりの野菜をはさんだバインミーは、子供からお年寄りまでパンと具材のおいしさをしっかり楽しむことのできる、魅力的なサンドイッチである。
そしてそんなバインミーが、雑誌や新聞で取り上げられ、脚光を浴び始めているのである。
今回はそんな注目のバインミーを提供する、人気のお店3店をご紹介したい。
専門店のバインミー、ベトナム料理店のバインミー、ベーカリーのバインミー、それぞれの魅力をレポートしたい。
大人気のバインミー専門店「バインミー☆サンドイッチ」
バインミー☆サンドイッチ
住  所:
東京都新宿区高田馬場4-9-18
畔上セブンビル101
電  話: 03-5937-4547
営業時間:
平日 11:00~19:30
土曜 10:00~18:00
日曜 10:00~17:00
定休日: 月曜日、第3~5日曜日
 高田馬場駅の早稲田口から徒歩1分、細い裏道を入ると見えてくるバインミー専門店、「バインミー☆サンドイッチ」。小さいお店ながらも、2010年1月のオープン以来、こちらのバインミーを求めてやって来るお客様が途切れない人気のお店。お店の前を通れば、外に設けられたベンチで、子供から大人まで、様々なお客様がバインミーをおいしそうにほおばる様子が見受けられる。

〈このおいしさを伝えたい!〉

 「初めてバインミーを口にしたのは、カナダに留学していた頃。ベトナムの移民が多い地域にいたんですが、サンドイッチのお店が多くて。ある日その中の一軒で食べたサンドイッチがあまりにおいしくて、衝撃を受けました。その頃は、それがバインミーだってことすら知らなかったんですけど(笑)」バインミー☆サンドイッチの木坂氏は、バインミーとの出会いをこう語る。日本では同じおいしさのサンドイッチには出会うことができなかった木坂氏。このおいしさを伝えたいと各地のバインミーを徹底的に食べ歩き、試行錯誤した結果生まれたのが、このバインミー☆サンドイッチなのである。
右:オーナーの木坂氏 左:スタッフの千葉氏
右:オーナーの木坂氏
左:スタッフの千葉氏

〈お客様に「本場の味」を〉

 木坂氏のバインミーへのこだわりは、「本場の味を提供する」こと。「薄皮はばりっとしていて、中はふんわり」というパンの食感も譲れないと語る。
 そんな木坂氏が作るバインミーを見てまず驚くのが、そのボリューム。20cmはありそうなパンに、パンがしまりきらないほどの具材が挟まれている。持ってみるとずっしり重く、このボリュームで500円という安さにもまた驚かされてしまう。
 パンをあぶってから作るという木坂氏のこだわりは、一口目から効果を発揮する。外側の皮はぱりっと歯ごたえがよく、中はふんわりもちもち。手作りの具材とパンの相性も抜群で、癖になってしまうおいしさなのである。研究に研究を重ねてこの味を作り上げた木坂氏の、バインミーへの熱意が感じられる。

手前:ベトナムハム&レバーペーストのバインミー 奥:海老アボカドのバインミー
手前:ベトナムハム&レバーペーストのバインミー
奥 :海老アボカドのバインミー
〈バインミーを楽しむ〉

 バインミーの魅力を知り尽くした木坂氏お勧めのバインミーの食べ方はなんと、「冷やして食べる」。パンが具材のうまみを吸ってしっとりし、焼き立てとはまた違ったおいしさを楽しめるのだそう。お酒のおつまみにもぴったりで、「バインミーがあると、ビールもワインもどんどん進んでしまう」と、笑顔で語ってくれた。木坂氏と話をしていると、バインミーの楽しみ方にはまだまだ可能性があるのだと実感させられる。塾帰りに立ち寄る小学生のお客様もおり、子供から大人まで、多くのお客様をひきつけて放さないバインミー☆サンドイッチ。どうやらまだまだ、このお店のファンは増え続けそうである。
ベトナム料理の店「Mãimãi」

ベトナム屋台食堂 Mãimãi
住  所: 東京都練馬区旭丘1-76-2
電  話: 03-5982-5287
営業時間:
水~土 18:00~22:30(LO 22:00)
日 18:00~22:00(LO 21:30)
土日のみランチあり
12:00~14:30(LO 14:00)
※ランチは売り切れ次第終了となります。
定休日: 月曜日、火曜日
 西武池袋線「江古田」の駅を2、3分歩くと、周りとは違った雰囲気のお店がある。そこは、ベトナム料理を提供する「ベトナム屋台食堂Mãimãi(マイマイ)」というお店。ベトナム語で「フォーエバー=ずっと、ずっと」という意味の、エンターテイメント(体験)型のベトナム料理屋である。外観からもかなりの雰囲気があるが、中に入るとさらにベトナムにいるような雰囲気を味わうことができる。オーナーの足立氏はもともとスペイン・中南米料理を研究していたが、ある日ポルトガルで知り合った友人に誘われてベトナムに行き、ベトナム料理と出会いベトナムの魅力にはまったという。今回は、ベトナム料理店であり、現地をそのまま再現しているMãimãiだからこそ作れるバインミーを紹介したい。 
クリームチーズとオムレツのバインミー
クリームチーズとオムレツのバインミー


〈Mãimãiバインミーの特徴〉

牛肉の串焼きのバインミー
牛肉の串焼きのバインミー
 Mãimã(i マイマイ)はベトナムの人達が普段食べているベトナムの食堂の料理やベトナムのお酒を提供している。その中でも、10年程前から提供しているバインミーは、足立氏が本『バインミー~ベトナムのおいしいサンドイッチ~(文化出版局)』を出版する程のバインミーのファンでもあり、Mãimãiの顔でもある。現在バインミーを販売しているのは土日のランチタイム。

 バインミー目当てにいらっしゃる方も多く、一日に20~30個のオーダーがくる。その中でも売れ筋のメニューは塩豚。パン職人ではなく料理研究家である足立氏ならはでのこだわりは、中身の具材によりタレを変え、パンとのバランスを考えること。今回いただいたバインミーは〈クリームチーズとオムレツ〉と〈牛肉の串焼き〉であるが、バインミーへのこだわりが、この絶妙にタレと具材がマッチした美味しさを引き出している。

 また、現地をそのまま再現するといったお店のコンセプトを持つMãimãiにあるバインミーはなんと10~15種類であり、一日3種類ずつ提供している。ベトナムに何度も訪問し、ベトナムを知り尽くしている足立氏に本場のバインミーの魅力を聞いてみた。「ベトナムの好きなところは色々な料理があるだけでなくどんどんアレンジするところ。街を歩いてバインミーに注目しても、予想できないような思いがけない発想をしてくる。」ベトナムを訪問するたびに新しい魅力があり、それをお店で再現するMãimãiは〈飽きない、尽きない〉バインミーの魅力を追求し、そのメニューの豊富さにも繋がっている。

〈バインミーの可能性〉

 足立氏に今後のバインミーの可能性について伺ってみた。

 一つは広い年齢層の方々に召しあがっていただけるバインミーを作ること。フランスパンが好きな方がお年を召して硬いパンが食べにくくなっても、フランスパンの風味を残した、パンの柔らかいバインミーならおいしく召し上がっていただける。お子様には甘い味付けのバインミーで柔らかいフランスパンを小さいころから体験してもらうことができる。

 二つ目は「ご当地バインミー」。なによりオカズを入れてこそのバインミー。そこでバインミーのエッセンスは残しつつ日本ならではの楽しみ方として、「ご当地バインミー」を作ってみるのも楽しいのでは。

 気になる最近の流行りについて、「たくさんの方々にバインミーを知っていただくことはありがたい。東京にはアメリカやカナダなどでバインミーを体験した人達が始めたお店もできている。多くのバインミーを食べて、それぞれのバインミーの特徴や、パンといろいろな具材との相性を楽しんで欲しい」と足立氏は語る。また、「ベトナム料理は〈暑い国の料理〉というイメージが強い。しかし北と南では気候が違うし、涼しい時期の料理やいろいろな地方の料理も今後どんどんご紹介して行きたい。」と尽きることのないベトナム料理とバインミーの可能性を語ってくださった。
パン屋さんの作るバインミー「カタネベーカリー」

カタネベーカリー/カタネカフェ
住  所: 東京都渋谷区西原1-7-5
電  話: 03-3466-9834
営業時間: 7:30~18:00
定休日: 月曜日、第1、3、5日曜日
 代々木上原の駅からのんびり歩いて10分ほどの住宅街に、カタネベーカリーはある。
 お店に入るとまず目に飛び込んでくるのは、ガラスケースの中に並べられたおいしそうなデニッシュ系のパンたち。少し視線をずらせば、木箱に立てかけられたハード系のパンや焼き菓子が目に入り、種類豊富でおいしそうなパンたちに、思わず目移りしてしまう。
 地下にはカフェも併設されており、多くのお客様がのんびりとおいしいパンとフランス家庭料理風のお食事を楽しんでいた。

〈楽しんで食べてもらいたい〉

 お店をオープンした9年前から販売し続けているバインミーは、お店の人気商品。
 カタネベーカリーの片根氏は、バインミーを出そう!と決めて販売し始めたのではなく、家族で普段から食べていたものを、自然な形でお店に並べたのだそう。
 「バインミーの魅力は、普通のサンドイッチより多くの野菜を食べられるところ。普通のバゲットサンドだと、ハムとチーズのみのシンプルなものが多いですが、バインミーにすると本当にたくさんの野菜をはさむことができますね。あとは、意外に思える食材にでも合ってしまうところですね。お店では2種類しか出してないのですけれど(笑)。パン版の手巻き寿司といったところでしょうか。3ヶ月に1回程度カフェでバインミー定食を出していますが、楽しみにされているお客様は多いですね。自分で具材を選んで、はさんで、食べるという形を楽しんでくださっています。」片根氏は、バインミーの魅力をこう語る。

〈どんな人にも愛される味を〉

 カタネベーカリーのバインミーはツナと豚肉の2種類。
 ツナはベトナム料理初心者の方でも食べられるようにと、クセのないシンプルな味付けになっている。豚肉はパクチーなどの香草を使った本格的な味付け。片根氏が、「どんな人にも愛される味を」と選んだ結果生まれたこの2品。香草やそれぞれの具材が主張しすぎることがなく、パンのおいしさもしっかりと感じられるやさしい味わいで、多くのお客様がとりこになってしまうのもうなずける。どちらも具がたっぷりでボリューム満点にもかかわらず、価格は380円とお手ごろ。パンに水がしみないようにバターとレタスの間にベーコンを挟んだり、クリームチーズをたっぷり塗ったりと、細かなところまでお客様への心配りがされている。
 「本当は、とにかくできたてを召し上がっていただきたいんです。豚肉が温かくて、きゅうりは冷たくて、一番おいしい状態なんですよね。でも、そうできないお客様もいらっしゃいますので。少しでも長く、おいしい状態で召し上がっていただけるように気をつけています。でもやっぱり、一刻も早く食べてほしいですね(笑)」
 そんな片根氏のバインミーへのこだわりは、「バランスのよさ」。
 「パンも手作りで、具材も手作り。どちらもこだわって、本当においしいと思えるものを使っています。このパンと具材のおいしさのバランスのよさは、負けないかなと思います。」

ツナのバインミー・豚肉のバインミー
手前:ツナのバインミー
奥 :豚肉のバインミー

〈お客様一人ひとりを大切に〉

 バインミーの種類を増やさないのか伺ったところ、「新しいメニューを考え付いても、一つひとつのパンのファンになってくださっているお客様の顔が浮かぶと、どのアイテムも削れなくて(笑)」とおっしゃる片根氏。お店にはたくさんのアイテムが並び、お客様が楽しそうに商品を選んでいる。一人ひとりのお客様を大切にし、「あなたの街のパン屋さん」であり続けるカタネベーカリー。これからもおいしいパンとバインミーで多くのお客様を笑顔にしてくれるに違いない。
今回、3店舗のバインミーを取材させていただく中で、パンと具材にこめられた、バインミーへの思いを強く感じた。バインミーに決まりはない。 パンというお皿に、それぞれ好きな具材を載せれば「バインミー」なのである。そして、パンにこだわることも、具材の種類を豊富にすることも、パンと具材の相性を追求することもできる。 無限の可能性を持ったバインミーは、どんな方にも楽しんでいただくことができるのである。 日清製粉(株)では、そんな可能性を秘めたバインミーをより多くの方に楽しんでいただくため、ミックス粉を発売している。フランスパンとは違い、ソフトで歯切れが良く、がぶりと食べやすいパンになるのが特徴のこのミックス粉を新たなサンドイッチを生み出すきっかけにしていただければ幸いである。

バインミーミックス 【ベトナム風サンドイッチ】#499(10kg/袋)
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