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2013年3月21日東京駅丸の内駅舎の南・旧東京中央郵便局敷地に、新たなランドマーク、商業施設「KITTE」がオープンしました。地上38階、地下4階の「JPタワー」の内、「KITTE」フロアとして地下1階から地上6階までの9,400m²に全国から98店舗が出店しています。 「KITTE」の名称には“切手”と“来て”の日本郵便ならではの想いを込めています。コンセプトは「Feel JAPAN」、日本各地の古きよきものから新しいものまで、訪れるお客様との出会いをつなぎ、お客様が日本の“心地よさ”“奥深さ”“愉しさ”などを体感・再認識いただける場としています。 「KITTE」の地下1階は東京駅丸の内地下広場から直接アクセスでき、JR東日本グループの(株)鉄道会館が運営する“KITTE GRANCHÉ(キッテ グランシェ)”には全国各地の選りすぐりの34店舗があります。 春休みも終わったある天気のよい日、「KITTE」を訪ねてみました。1階アトリウムに巨大な「想い桜」の絵画が出迎えてくれます。この巨大な絵画は、展示終了後約4,000枚の絵葉書に裁断され、応募された「大切な人への想い」を届けるという日本郵便らしい開業記念アートプロジェクトです。さて、地下1階のキッテ グランシェに降り、お店を覘いてみました。 ![]() |
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JR東京駅地下から入ると有楽町方面、東京ビルの飲食店街へつながる通路の一番奥に位置しています。通路の幅は4m位の広さが有り、常に人が歩いています。その通路がちょうど150度位に曲がった所の両側に売り場を設けています。奥側にはクロカントだけを5~6mの棚に盛り、東京の新しいお土産としてアピールしています。手前のメインの売り場は中央に大きな平台を置き、65cmもある焼きたてソフトフランスを「どうぞ見てください」と堂々と並べています。壁周りの棚には小物類を並べ、お客様からよく見える様に陳列しています。レジはメイン売り場の奥側に有り、後方はガラス張りの工場で、手作りでパンが作られていくのが、お客からよく見える様にレイアウトされています。お客様が入りやすい動線を確保しているので、お客様は自然に店内に吸い込まれるようです。通路が曲がっていることも歩くスピードを緩め、お店が目にとまる様になっています。
「奇抜な食べ物は売れない。パンは生地が熟成していないとおいしくない。しっかり発酵していることが大事」と言い、それは約60年にわたって、今でも日々作業台に立ちパン生地を触り、焼き、その焼き上がりを確認しているパン技術者の重みを感じます。 戦後、平田社長のお父様がパン屋さんを始め、跡を継ぎましたが、それまでは大変でした。地元のパン屋さんを合併したり、復帰前の沖縄でベーカリーを手伝ったりと飛び回りました。 そんな平田社長から先ず出たパン作りの言葉は「1種 2粉 3技術」。パン作りに手間を惜しまず、何でも試してみる追求心が言葉の端々に出てきます。皆さんは小麦粉の「たん白」が大事だというが、おいしさには「でん粉」が大事だと言います。「パンは形とかフランスパンのクープだとか恰好ばかり気にするが、本当のうまさの元(生地)を研究しなくてはいけない。」とも。 パン生地の話は尽きませんが、売れ筋を聞いてみました。中央平台に並んだ「ソフトフランス」。名前は普通ですが、形・大きさには圧倒されました。生地は1Kg、長さは65㎝の円筒形と、食感は皮が薄く、それこそ「ソフト」です。焼きあがってしばらくすると、底の部分は沈んでしまう位柔らかいのです。フランスパン系というより、食パンに近い触り心地です。材料は小麦粉と砂糖と塩とイーストに水と至ってシンプル。平田社長はバゲットと同じでシンプルな方がおいしいと、油脂を入れないことにこだわっています。博多のお店では佐賀や北九州にもファンが居る人気アイテム。当KITTE店では毎日180本焼き上げ、開店2週間で既にリピーターもいるそうです。店内のサンドイッチは全て「ソフトフランス」を使用しています。販売は1本1,050円の他電車でも持ち帰られる様にハーフサイズ525円も用意しています。この「ソフトフランス」、実は翌日の方がおいしいと勧められ、試しに、次の日、軽く炙ると非常に軽い食感が、口の中でさーっと溶けていき驚きました。是非お試しいただきたい一品です。 その他、100%レーズン食パンや水の代わりに豆腐で、塩の代わりに塩麹で捏ねた豆腐パン、自家製酒種のあんぱん等どれもこれもこだわったアイテムばかりでお客さんを楽しませてくれています。品種はこれからも増やしていくそうですが、目玉は天然酵母のクロワッサン。博多から来た老舗に目が離せません。
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