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出来立てのコッペパンが話題に!

昭和30年代の東京下町を舞台にした映画「三丁目の夕日」や、戦時中の飛行機設計に取り組む青年のアニメ映画「風立ちぬ」が上映され、「昭和レトロ」が注目されています。食品としては菓子やカレーが、昭和40年頃の復刻版パッケージで販売されています。また首都圏では、懐かしいメニューのスパゲティ・ナポリタンがブームになっています。
さて、パンで「懐かしさ」を感じる商品としては、「コッペパン」が挙げられます。ジャムやクリームをはさんだり、焼きそばなどと組み合わせた惣菜パンとしてお馴染みです。
そのようなコッペパンだけを扱う専門店が、2013年4月東京都葛飾区にオープンし盛況が続いています。また千葉県船橋市の人気ベーカリーでは、コロッケなどを使用したコッペパンが評判です。
昔からあるコッペパンが、今何故注目を集めているのでしょうか?両店への取材を通じて、その魅力をレポートします。
注文を受けてから調理するコッペパン専門店 吉田パン

吉田パン
吉田パン
吉田社長
吉田社長
 東京都葛飾区のJR常磐線亀有駅から徒歩3分の商店街に、2013年4月コッペパンの専門店「吉田パン」がオープンし、連日多くのお客様で賑わっています。行列の絶えない同店の魅力について、吉田社長に話を伺いました。

■ 吉田パン
住所:東京都葛飾区亀有5-40-1
電話:03-5613-1180
定休日:月曜日(月曜日が休日の場合は営業し、火曜日休業)
営業時間:午前7:30~午後5:30

<福田パン(岩手県盛岡市)から学んだ「ソウルフード」>

 吉田パンのコッペパンの製法は、吉田社長が福田パン(岩手県盛岡市)から学んだものです。福田パンは直営店のほか生協などでも販売され、地元では「盛岡のソウルフード」と呼ばれる程馴染み深いパンです。お土産でもらった福田パンのコッペパンに感動した吉田社長は、「東京でも販売したい」という熱意を福田パンに伝え、一からパンづくりを学びました。
店内
店内

<注文を受けてから調理する「出来立てコッペパン」>

 同店には棚が無く、店内にパンは並んでいません。調理台とメニュー表があるだけで、一般的なベーカリーとは雰囲気が異なります。お客様から注文を受けたスタッフが、ばんじゅうからコッペパンを取り出し、フィリングや野菜などをはさんで調理を行います。一番人気は「あんマーガリン」で、またフィリングは組み合わせる事も可能です。
 しっとりもっちりした口当たりの良いパンは「昔ながらのコッペパン」といった印象です。また、パンを手に取った時に重みを感じられます。野菜は地元の信頼できる八百屋から仕入れ、あんは福田パンと同じ製あんメーカーのあんを使用しています。
 平日は主婦が多く来店し、週末は家族連れも多くなります。中には、朝自分が食べる分を買いに来て、午後には知り合いに頼まれて再び来店するお客様もいるそうです。
調理
調理
調理
< 同店メニュー一覧 >
140円 あん、ジャム、ピーナッツ
150円 ジャムマーガリン、ピーナッツマーガリン、
    マーマレード
160円 あんマーガリン
170円 クッキー&バニラ
230円 たまご、ポテトサラダ
250円 コーンビーフ、ごぼうサラダ、
    スパゲティナポリタン
260円 ツナ、ハムカツ
280円 オリジナル野菜サンド
※トッピングは、ホイップ(30円)、ハム、チーズ(50円)
ジャム 140円
ジャム 140円
マーマレード 150円
マーマレード 150円
あんマーガリン 160円
あんマーガリン 160円
たまご 230円
たまご 230円
スパゲティナポリタン 250円
スパゲティナポリタン 250円
オリジナル野菜サンド 280円
オリジナル野菜サンド 280円
 オープン当初はコッペパンが完売してしまい、パンが焼きあがるまで日に何度か販売を休止しなければならない状況でしたが、今は人員や設備を増強し安定して供給出来るようになりました。吉田社長は、「他地区への出店を考えるより、亀有で地元のお客様に愛されるパン屋になりたい」と考えています。
 盛岡では「福田パンを食べると福が来る」と言われているそうで、吉田パンでもお客様に喜んでいただき、「吉田パンを食べると吉が来る」と言われたいと考え、店のキャッチコピーは「ラッキーブレッド」にしたとの事です。

 自分が注文したフィリングの組合せで、その場で調理して直接手渡してもらえるという事がお客様の喜びに繋がっているのだと思います。

週末1,500人のお客様が来店する人気ベーカリー ピーターパン石窯パン工房店

ピーターパン石窯パン工房店
ピーターパン石窯パン工房店
 千葉県船橋市に本店があるピーターパンは、県内に5店舗(※)を展開しており、2013年9月に6店舗目の津田沼店をオープンしました。ピーターパンは、お客様を笑顔とおもてなしの心でお迎えし、「ちょっと贅沢、ちょっとおしゃれな食文化」を提供する事をコンセプトとしています。様々なアイテムの中でも、コロッケコッペなどのコッペパンは、店頭に並べるとすぐにトレーが空になる程の人気商品です。同店のコッペパンの魅力について、大橋専務と黒澤スーパーバイザーに話を伺いました。
※5店舗:石窯パン工房店(千葉県船橋市)、小麦工房店(同市川市)、小麦の郷店(同鎌ヶ谷市)、小麦の丘店(同八千代市)、コープ店(同鎌ヶ谷市)

黒澤スーパーバイザー
黒澤スーパーバイザー
■ ピーターパン石窯パン工房店
住所:千葉県船橋市海神3-24-14
電話:047-410-1021
定休日:木曜日
営業時間:午前7:00~午後8:00

<週末はレジ3台がフル稼働する人気店>

 ピーターパン石窯パン工房店は、東葉高速線東海神駅より徒歩5分にある路面店で、60台の駐車場が完備されています。週末には1,500~1,600人の来客があり、店内の常設レジ2台に加え、店外テントにレジ1台を増設し、計3台でお客様に対応しています。週末のピークタイムは11~13時です。夏場は昼の暑い時間を避けて、開店直後の7時頃からお客様が次々に来店します。
 同店のパンの特徴としては、劣化がなるべく遅くなるように、また歯切れの良さを重視して焼き上げられています。
店内
店内

<バラエティ豊かな出来立てコッペパン>

 同店のコッペパンは、コロッケコッペを筆頭に、たまごコッペやホットドック、焼きそばコッペ、メンチコッペ、南蛮チキンコッペ、えびかつコッペとバラエティ豊かな品揃えです。(季節によって一部入れ替わりの商品あり。価格が変更になっているものもございます。)
 コロッケコッペは、男爵いものコロッケ、キャベツ、自家製ソースの相性が良く、使用するコロッケは10分毎に調理して、いつでも揚げたてを提供出来る体制になっています。「ピーターパンのコロッケは揚げたて」という事をお客様が知っているからこそ、コロッケコッペ目当てのお客様も多いのでしょう。他のコッペパンも同じように出来たてが並んでおり、黒澤スーパーバイザー曰く「お客様には足繁く来店いただいて、出来たてを食べていただきたい」との事です。
コロッケコッペ 136円
コロッケコッペ 136円
たまごコッペ 126円
たまごコッペ 126円
メンチコッペ 157円
メンチコッペ 157円
えびかつコッペ 336円
えびかつコッペ 336円
南蛮チキンコッペ 336円
南蛮チキンコッペ 336円
7月の限定コッペ トロピカルパインジャム
7月の限定コッペ トロピカルパインジャム
 ピーターパンでは卵、野菜は多くを千葉県産を使用して地産地消に取り組み、水はPHをコントロールしやすいようにπウォーターを使用しています。また、季節を感じていただける商品にも注力しており、焼きたて出来たての魅力とあわせてお客様を引き寄せているようです。
 今回ご紹介したコッペパンに限らず、明太フォンデュや自家製カレーパンなどの人気商品も、夫々のこだわりをお客様に伝えられているようです。だからからこそ、「今日もピーターパンに買いに行こう」というお客様が繰り返し来店されるのだと思います。

 今回ご紹介した両店のコッペパンには、「懐かしさ」「おいしさ」のほかに「出来立て」「手軽さ」という魅力が共通しています。その「おいしさ」「出来立て」が様々な「こだわり」を備える事によって、お客様を引き寄せているのだと思います。
 「おいしさ」「出来立て」の価値をお客様に認めていただければ、繰り返し食べてみたいと感じていただき、何度も来店していただけるのではないでしょうか。
 今一度、コッペパンを見直してみて、「今日もあのコッペパンが食べたい」とお客様が感じるような商品開発が必要です。

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