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~ブレッドマスターを常駐、食べ方を提案~


 東京・青山に1970年にオープン以来、青山の顔として親しまれてきた「青山アンデルセン」。リテイルベーカリーの草分けとしてその存在価値を高めてきたが2004年11月、全館リニューアルオープン、さらにパワーアップして登場した。
 今般のリニューアルの目玉は『ブレッドマスター』を常駐、パンの美味しい食べ方を提案していることだ。また。デリ&サンドイッチバーや本格レストランもリニューアル、デンマークを中心としたパン食の楽しみ方を提案している。そこで今回はパン食文化の新しい魅力を発信する新生「青山アンデルセン」をレポートした。

 新生青山アンデルセンのコンセプトは“HomeBakelyin青山”「本物がわかる大人の街」青山のライフスタイルにふさわしいクオリティを創造・提供することである。つまり青山近隣に居住する人や、青山に勤務する人など青山を生活の拠点としている人々の“ホームベーカリー”を目指している。
[明るくヒュッゲな店内]
 そしてこの店のテーマは“Hygge”(ヒュッゲ)。ヒュッゲとはデンマーク語で「人と人とのふれあいから生まれる温かい居心地のよい雰囲気」の意味である。従ってベーカリー、サンドイッチバー、レストランとも、全店に“Hygge”(ヒュッゲ)の精神が息づいている。
 平日の12時すぎに覗いてみると、ベーカリーコーナーはまさに青山を生活の拠点としているような女性たちで賑わっていた。明るい店内には大人を意識した洗練されたパンがズラリと並ぶ。商品アイテムはざっと100アイテム、“ホームベーカリー”を標榜するだけに食事パンのバラエティが豊富だ。

 明るく広々とした店内で目立つのは食事パンの充実ぶりである。そしてこの新生青山アンデルセンの目玉はパンのソムリエ「ブレッドマスター」が常駐、パンの食べ方提案をしていることだ。「ブレッドマスター」とはアンデルセンの独自の資格だが、その第一号は入社3年目の斎藤真由美さんである。もともとパンが大好きという斎藤さん、社内のコンクールで4回も入賞した経験がかわれて抜擢された。
[ブレッドマスター斎藤さん]
[充実した食事パン売り場]
[青山アンデルセントースト(441円)]
 「食べるシーンによってお薦めのパンも食べ方も異なる。一番美味しく召し上がっていただけるように提案したい」と目を輝かせる。
 固定客は顔をみただけでお好みの厚さにスライスサービスできるように心がけているという。11月にオープンしてはや3ヶ月、斎藤さんのファンも多いようだ。
 食事パンで一番の人気は 「青山アンデルセントースト 」。これはトーストした時の美味しさにこだわったパンなので厚めにスライスして、サクッとした食感を味わって欲しいという。最近凝っているのは和惣菜との組み合わせ。特に軽くソテーしたひじきのトーストがお薦めだ。一見普通のパンも斎藤さんのアイデアで新しいパンの楽しみ方が生まれる。そんなアイデアや驚きに出会いたくて訪れる客も多いのであろう。
 もともとペストリーが得意なアンデルセンだが、最近は油脂分を減らしたライト感覚のペストリーに力を入れている。これはお客様からの要望で生まれたものだが、サクッとした軽い口当たりが支持されているという。モーンを使った「バイスモーン」(136円)、四葉のクローバー型が可愛いらしい「オレンジクリンゲル」(189円)など。また同じ生地をクグロフの型に入れて焼いた「モーンプルンダー」(189円)は大ヒットの予感がするという。リニューアルと同時に低温で管理するデニッシュペストリー専用の製造室を設置するなど、ペストリーのラインナップに力を入れている。




 デンマークらしい商品としては幸せのおすそわけ「ラージクリンゲル」(945円)が人気商品。日本でも新しい習慣として支持されそうだ。またミニペストリー5個入りパッケージ(525円)も、手軽なギフトとして喜ばれている。
[ラーゲクリンゲル(945円)] [ミニペストリーセット(525円)]
[パイモンスーン(136円)] [モーンプルンダー(189円)]
[フェルベールのジャムの品揃え]
 フロア奥の焼き菓子コーナーの横ではキッシュ、カルッツォーなど焼きこみ調理パンを提供しているが、すぐ奥にオーブンを設置して、焼きたて感をアピールしている。また一階レジ前のサンドイッチコーナーには自慢のサンドイッチが並んでいる。またパンとの美味しい組み合わせとしてオリジナル“Hygge”ブランドのオリーブオイル、スープやハムなどの食材を提供している。



このコーナーで目立つのはフランスで人気のクリスティーヌフェルベールさんの充実したジャムの品揃えである。ピンクの水玉模様のパッケージがずらりと並んだ売り場は圧巻だ。こうしたパンを美味しく楽しむための食材の提案は本店広島に続く「青山アンデルセン」ならではといえる。

 この青山アンデルセンは、1階がベーカリー、地下1階はデリ&サンドイッチバー、2・3階にはレストランを併設した大型店だが、その日の気分でテイクアウトもよし、ゆっくりランチを楽しむのもよしと、使い勝手が良い。地下のデリ&サンドイッチバーでは手作りサンドイッチやデリを手軽に味わうことができる。ここでは「パンも料理も美味しく」をモットーにサンドイッチはオーダーを受けてからすべて手づくり。自慢は炭火焼きを完備したグリルだ。炭火焼のチキンやハンバーグサンドは、香ばしくボリュームたっぷりで絶品。またパンに合う15種類のデリはいずれもその場で食べることも、50グラムからテイクアウトすることもOK。パンと一緒に楽しめるデリは、いずれも美味しい。
 赤い椅子とウッディスタイルが印象的なフロアはモダンと温かみが調和され、居心地抜群。モーニングやランチ、気軽なディナーと女性の一人ごはんにも最適。朝から夜まで女性たちで賑わっている。
[デリ&サンドイッチバー] [炭火焼チキン(220円)]
[一人ごはんに便利な店内] [炭火焼ハンバーグサンド]
[フィッシュフィリカデル]
[デンマーク産皮つき豚のロースト]
[サーモンのオープンサンド]
[ポテトのオープンサンド]
 2・3階のレストランスペースも常に女性たちやビジネスランチの客で埋め尽くされている。リニューアルして席数を減らしゆったりとした店内は居心地抜群、大きな窓から青山通りを見渡せる窓際は特に人気だ。
 ここではデンマーク仕込みの本格的オープンサンドイッチが、好みのパンと組み合わせて楽しむことができる。ニシンのマリネ650円、フィッシュフリカデル(デンマーク風ハンバーグ)750円、ローストビーフ800円、デンマーク産皮付き豚のロースト800円などメニューはざっと20種類。ランチにディナーにと手軽にデンマークを味わえる。平日のランチセットは、オープンサンド2種類と、スープと飲み物がセットされて1600円。「本日のランチ」は、オープンサンド1種類とデザート、飲み物がセットで1200円。どちらもパンは食べ放題とお得だ。土曜日のブランチの「シャンパンセット」はシャンパン、お好みオープンサンド一種、スープと食べ放題のパンがついて1,850円。ここのレストランはゆったりと居心地の良いスペースでオーブンサンドを楽しむカップルやファミリー、プチリッチな“一人ごはん”を楽しむ女性たちで満杯だ。
 デンマークの“Hygge”(ヒュッゲ)を具現化した新生「青山アンデルセン」はパンを中心とした食事の楽しみ方を存分に提案している。2005年はアンデルセン生誕二百周年を記念して毎月童話にちなんだ新商品を提案するなど、アンデルセンをアピールしている。デーマークの食と生活文化を基軸に、独自のパン食文化を発信する「青山アンデルセン」の新しい試みには、学ぶことが多く目が離せない。


















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